農地と環境の科学
食料生産の基盤である健全な農地がなければ、増え続ける地球人口を養うことはできません。
現在、世界の農地をみると、乾燥地での塩類集積と農地の荒廃、 多量の化学肥料の投入と流出による地下水汚染や湖沼の富栄養化、地球温暖化ガスの放出、 潅漑のための水資源の過剰な利用や不足など、様々な環境問題が生じています。自然環境を保全しつつ、さらに農業の生産性を高めることは、非常に難しい課題です。
また、国内の農業に目を転じれば、高齢化による農業や農村の担い手不足や中山間地の荒廃、水稲に代わる収益性の高い作物の導入ニーズ、情報通信技術の発展など、 これまでの日本の農業を支えてきた農業生産基盤の在り方が大きな転機を迎えています。
国内外で起こっているこのような多様かつ個別の事象を対象とした調査・研究を展開するためには、第一に自然の法則性や物質の普遍的な特性に基づいて解明し、問題を解決する高度の科学性が求められます。 特に、植物の生育・生産や生態系の良否を条件づける水域や土壌と、そこでの物質循環に関する科学と技術は不可欠です。
第二に、フィールド現象を扱う研究においては、 対象の構成要素を全体から切り離して個別に分析するだけではなく、 全体の中で問題の本質的プロセスを見極め、 それに即した研究方法を採用することも重要です。
第三に、現実の問題に上記の学術的研究成果をコミットするためには、事象が置かれている社会的状況を理解把握し、 その制約条件や経緯を考慮して、問題や課題に対する最適解を導くことが求められます。
農地環境工学研究室では、土と水に関する科学を基礎として、 現場での測定・モニタリング、GIS(地理情報システム)、 モデル実験やコンピュータシミュレーションなど様々な手法を磨きながら、 オブジェクト・オリエンテッド(対象重視)の姿勢でこの課題に挑んでいます。
研究室に興味を持たれた方は気軽にお越しください。いつでもご案内いたします。 下記の電話番号か、教授のメールアドレス迄、ご連絡をお待ちしています。
下記の日時にて,大学院進学ガイダンスをオンラインで開催します。
大学院への進学を検討中の方はご参加下さい。
日時:2022年5月14日(土) 15時00分~
接続先については、生物・環境工学専攻ホームページを参照下さい。
【受講生の皆様】生物・環境工学専修A1ターム講義「熱物質移動現象論」EXCELファイルはこちらからダウンロードしてください
7/12に行われた修士課程の講義「地域環境工学特論Ⅰ」にて、今井修様(ジー・リサーチ(有)代表取締役)が使用されたスライドのリンクをこちらに
掲載します。受講生は是非活用してください。